2日め。
朝ご飯はバイキング。
バイキングは余程料理に力を入れているホテルじゃないと美味しくないし、ちび付きの身では取りに行くのも大変なのでがっかりだった。
でも、何だかこのところ、聞き分けが良くなって来ているちびちゃんは自ら幼児用の椅子に座って「はーな」といいながら一輪挿しにおいでおいでするのでそれを引き寄せて、
「ここで待っててくれる?」
いやいや覚悟で聞いてみたらはい!だって!
急いでちびちゃんが食べてくれそうなものたちをかき集めて…ご褒美に大好きなバターも添えて…持って行った。
「…しゅーしゅ。」
ああ、ジュースもね、ごめん、ごめん。
意外なことに、結構美味しかった。
母はもう、(多分懐かしさも手伝って)凄い気に入り様。
今回、割引チケットを使って泊まったので、本来のお値段が分からないのが気になるところだけど…また来ようね、と約束した。
朝、ダイニングで品のいい女性が目に入り、その人は決して寂しそうでは無かったし、もしかしたら寝坊なお連れさんがいらっしゃったのかもしれないけれど、母より10程上だろうか、お一人で食事をされているのを見て、父を亡くした母と重なり、そういう状況にさせたくない、と思ってしまった。
帰り道。
”夫婦は、一緒に年を重ねて、若い頃のぶつかり合いを許し合う時間を迎えないといけない”
車の中から移り行く景色を見ながら突然話し出す母。
恐らく、あの旅館で、穏やかな笑顔の老夫婦をみたのだろう。
こんな時、私はまだ母の言葉を正面から受け止めてあげることが出来ない。
父の死に際し、たくさんの後悔を抱えているからだ。
母や姉のように、精いっぱいのことをしてあげていない私。
母もたくさんの後悔を話すけれど、その後悔は、私のと深みが違う。
母のは、し尽くしても足りない、そんな後悔。
私のは、すべきことすらしてあげられなかった…最低な娘としての、後悔。
父は、大きな人だった。
とても、温かい人だった。
深い、深い、愛情に満ちた人だった。
映画と音楽が好きな、静かなロマンチストだった。
そんな父と結婚出来て幸せだった、と、いろんな後悔を話した後で母は結ぶ。
もっと…一緒に過ごしたかっただろうな。
子供たちが家を出て行って、二人の生活に戻って、改めてお互いを見つめ合って。
母に、寂しい想いをさせたくない。
私では、父のいない寂しさを埋めることは決して出来ないけれど。
いつでも、付き合うから、どこか行きたい時は言ってよ。
将来、実家に近い街に住む私。
神様が、きっと、私の後悔を少しでも和らげようと、与えた試練の先に準備されたんだろうと思う。
”元気なパパが居たら、一緒に行けるのに”
そう言わせたくない。
どこにでも、付き合うからね。
…旅行記じゃなくなってきたぞ。
気を取り直して。
朝ご飯をご機嫌で済ませ、今日どうする〜?と言いながら車に乗り込む。
母の想い出のある池?に行くことにした。
早速「あ(お)んぶ」と私のシャツの裾を引き、背中をとんとんと叩くちびちゃん。
「あんよこ、しよう?」
と言うけれど、ううん。
母が「ほら、お花!」と野花を指した。
「はーな!」
たんぽぽの種(…ってまだあるんですねーっ涼しいから?)をふーっしたり、可愛いお花によしよししたりして歩く、歩く。
「この子は、目的が無いと歩かないからねえ…そんなところまでパパそっくり。」
…さ、さすがだ。
「あ!ちょうちょ!」
意外なことに、あの、修道院で教えたちょうちょを彼女は覚えていた。
結構な坂道を頑張ってあんよするちびちゃん。
その先に、池が見える。
嬉しそうに駆け寄り、いつものように石をもつ。
「や!」
ぽちょん…と可愛い音をあげ、小さな石が池に沈む。
しばらく遊んで「行こうか?」と言うと、やっぱり「いやいや。」
あうう…。
すると、またまた、ばあばの活躍。
「よおーい、どん!しよっか!」
そんなんじゃ、聞かないよお、と思ったのもつかの間。
ちびちゃんは走り出した。
きゃっきゃきゃっきゃ言いながら、3人で走る、走る。
どうしてこんなに人が来ないんだろうね、と話しながら美しい木々に囲まれた道を歩いた。
足漕ぎボートに乗ろう、と言うことになって、ちびちゃんにハンドルを持たせ、母と二人で漕いだ。
一昔前の恋人たちは、手漕ぎボートがお決まりコースだったんだろうね、なんて笑ったら、母は父とモーターボート?(…と確かに彼女は言った)に乗ったことがあるらしい。
池の上は涼しくて、池からの風景はまた違っていて。
普段なら止めよーと言う母が意外にボートに乗ったのにも満足して、旅行っていいな、なんて思った。
お昼は、100年ダイニングと名の付いたレストランに惹かれてあるホテルに行った。
なんでも、皇太子ご夫妻がいらっしゃったこともあるらしい。
ちびちゃんは納得いかなかったらしく、あまり食べてくれなかったけれど、母と私は満足だった。
今回の旅行はお食事にツイてるぞ♪
昭和新山を観に行った。
去年の暮れの時は、一瞬だけ雲が晴れて見られたという想い出がある。
お揃いのジャンパーに身を包んだだーりんとちびちゃんの後ろ姿を見ながら登った展望台。
少しだけ曇り空なのに助けられて暑い、暑いと言いながら眠たそうなちびちゃんをおんぶして登った。
昭和新山は、私と同じ誕生日だった。
20歳ほど若いけどね(笑)。
<土石流の爪の跡>ははっきり見えて、ぞっとした。
でも、その先に、緑が生えているのに救われる想いがした。
自然に生まれたものには、ちゃんと自然が付いてくるんだなあ。
ちびちゃんがやたらと手すりから身を乗り出して緑と交流しようとするので、怖くなって大きな岩に導き、ほら、ここからおいで♪とちびちゃんのお転婆魂を利用して岩を登らせて反対側に立っている自分に来るように言うと、大喜びして。
…失敗した。
自然の力でできた滑り台とみなされ、何度も何度も滑る、滑る。
あいやー…。
やっとの思いで<おんぶ>を求めさせて、次は??岬へ。
そこで選べないジュースの中から洋梨のQOOとお茶とアクエリアスを購入。そこでお昼野菜アイスにがっかりしてたのでアイスクリンをちびちゃんに買って。
いきなりぼてっと半分落としちゃったちびちゃんに笑いながら。
街に戻った。
あっという間に寝てしまった天使。
母と話し合ってそのまま帰ることにした。
「また、来るからいいね。」
何度もそう言って笑った。
大村湾パーキングで休憩しても起きないちびちゃん。
大満足なんだろうなあ。
ちょっと遠回りしてハウステンボスの飛行機会社のホテルで夕食。
満場一致で和食にした。
<夏の玉手箱>と名付けられたお弁当形式のお料理はとってもわくわくさせてくれて、美味しかった。
母が運転を代わってくれると言うので、飲んだブランデーベースの梅酒がとっても美味しかった。
窓の外には人工の池。
そこに鳩や雀が遊びに来ていて、ちびちゃんは楽しそうだった。
「ぽっぽ!」
「ちっち♪」
食後、運河沿いの庭でお散歩。
いい、締めくくりだね。
予想どおり、大喜びのちびちゃんが動かなくて、帰るまでにかなり大変だったけど。
明日は…音楽教室だ…ばったり。
朝ご飯はバイキング。
バイキングは余程料理に力を入れているホテルじゃないと美味しくないし、ちび付きの身では取りに行くのも大変なのでがっかりだった。
でも、何だかこのところ、聞き分けが良くなって来ているちびちゃんは自ら幼児用の椅子に座って「はーな」といいながら一輪挿しにおいでおいでするのでそれを引き寄せて、
「ここで待っててくれる?」
いやいや覚悟で聞いてみたらはい!だって!
急いでちびちゃんが食べてくれそうなものたちをかき集めて…ご褒美に大好きなバターも添えて…持って行った。
「…しゅーしゅ。」
ああ、ジュースもね、ごめん、ごめん。
意外なことに、結構美味しかった。
母はもう、(多分懐かしさも手伝って)凄い気に入り様。
今回、割引チケットを使って泊まったので、本来のお値段が分からないのが気になるところだけど…また来ようね、と約束した。
朝、ダイニングで品のいい女性が目に入り、その人は決して寂しそうでは無かったし、もしかしたら寝坊なお連れさんがいらっしゃったのかもしれないけれど、母より10程上だろうか、お一人で食事をされているのを見て、父を亡くした母と重なり、そういう状況にさせたくない、と思ってしまった。
帰り道。
”夫婦は、一緒に年を重ねて、若い頃のぶつかり合いを許し合う時間を迎えないといけない”
車の中から移り行く景色を見ながら突然話し出す母。
恐らく、あの旅館で、穏やかな笑顔の老夫婦をみたのだろう。
こんな時、私はまだ母の言葉を正面から受け止めてあげることが出来ない。
父の死に際し、たくさんの後悔を抱えているからだ。
母や姉のように、精いっぱいのことをしてあげていない私。
母もたくさんの後悔を話すけれど、その後悔は、私のと深みが違う。
母のは、し尽くしても足りない、そんな後悔。
私のは、すべきことすらしてあげられなかった…最低な娘としての、後悔。
父は、大きな人だった。
とても、温かい人だった。
深い、深い、愛情に満ちた人だった。
映画と音楽が好きな、静かなロマンチストだった。
そんな父と結婚出来て幸せだった、と、いろんな後悔を話した後で母は結ぶ。
もっと…一緒に過ごしたかっただろうな。
子供たちが家を出て行って、二人の生活に戻って、改めてお互いを見つめ合って。
母に、寂しい想いをさせたくない。
私では、父のいない寂しさを埋めることは決して出来ないけれど。
いつでも、付き合うから、どこか行きたい時は言ってよ。
将来、実家に近い街に住む私。
神様が、きっと、私の後悔を少しでも和らげようと、与えた試練の先に準備されたんだろうと思う。
”元気なパパが居たら、一緒に行けるのに”
そう言わせたくない。
どこにでも、付き合うからね。
…旅行記じゃなくなってきたぞ。
気を取り直して。
朝ご飯をご機嫌で済ませ、今日どうする〜?と言いながら車に乗り込む。
母の想い出のある池?に行くことにした。
早速「あ(お)んぶ」と私のシャツの裾を引き、背中をとんとんと叩くちびちゃん。
「あんよこ、しよう?」
と言うけれど、ううん。
母が「ほら、お花!」と野花を指した。
「はーな!」
たんぽぽの種(…ってまだあるんですねーっ涼しいから?)をふーっしたり、可愛いお花によしよししたりして歩く、歩く。
「この子は、目的が無いと歩かないからねえ…そんなところまでパパそっくり。」
…さ、さすがだ。
「あ!ちょうちょ!」
意外なことに、あの、修道院で教えたちょうちょを彼女は覚えていた。
結構な坂道を頑張ってあんよするちびちゃん。
その先に、池が見える。
嬉しそうに駆け寄り、いつものように石をもつ。
「や!」
ぽちょん…と可愛い音をあげ、小さな石が池に沈む。
しばらく遊んで「行こうか?」と言うと、やっぱり「いやいや。」
あうう…。
すると、またまた、ばあばの活躍。
「よおーい、どん!しよっか!」
そんなんじゃ、聞かないよお、と思ったのもつかの間。
ちびちゃんは走り出した。
きゃっきゃきゃっきゃ言いながら、3人で走る、走る。
どうしてこんなに人が来ないんだろうね、と話しながら美しい木々に囲まれた道を歩いた。
足漕ぎボートに乗ろう、と言うことになって、ちびちゃんにハンドルを持たせ、母と二人で漕いだ。
一昔前の恋人たちは、手漕ぎボートがお決まりコースだったんだろうね、なんて笑ったら、母は父とモーターボート?(…と確かに彼女は言った)に乗ったことがあるらしい。
池の上は涼しくて、池からの風景はまた違っていて。
普段なら止めよーと言う母が意外にボートに乗ったのにも満足して、旅行っていいな、なんて思った。
お昼は、100年ダイニングと名の付いたレストランに惹かれてあるホテルに行った。
なんでも、皇太子ご夫妻がいらっしゃったこともあるらしい。
ちびちゃんは納得いかなかったらしく、あまり食べてくれなかったけれど、母と私は満足だった。
今回の旅行はお食事にツイてるぞ♪
昭和新山を観に行った。
去年の暮れの時は、一瞬だけ雲が晴れて見られたという想い出がある。
お揃いのジャンパーに身を包んだだーりんとちびちゃんの後ろ姿を見ながら登った展望台。
少しだけ曇り空なのに助けられて暑い、暑いと言いながら眠たそうなちびちゃんをおんぶして登った。
昭和新山は、私と同じ誕生日だった。
20歳ほど若いけどね(笑)。
<土石流の爪の跡>ははっきり見えて、ぞっとした。
でも、その先に、緑が生えているのに救われる想いがした。
自然に生まれたものには、ちゃんと自然が付いてくるんだなあ。
ちびちゃんがやたらと手すりから身を乗り出して緑と交流しようとするので、怖くなって大きな岩に導き、ほら、ここからおいで♪とちびちゃんのお転婆魂を利用して岩を登らせて反対側に立っている自分に来るように言うと、大喜びして。
…失敗した。
自然の力でできた滑り台とみなされ、何度も何度も滑る、滑る。
あいやー…。
やっとの思いで<おんぶ>を求めさせて、次は??岬へ。
そこで選べないジュースの中から洋梨のQOOとお茶とアクエリアスを購入。そこでお昼野菜アイスにがっかりしてたのでアイスクリンをちびちゃんに買って。
いきなりぼてっと半分落としちゃったちびちゃんに笑いながら。
街に戻った。
あっという間に寝てしまった天使。
母と話し合ってそのまま帰ることにした。
「また、来るからいいね。」
何度もそう言って笑った。
大村湾パーキングで休憩しても起きないちびちゃん。
大満足なんだろうなあ。
ちょっと遠回りしてハウステンボスの飛行機会社のホテルで夕食。
満場一致で和食にした。
<夏の玉手箱>と名付けられたお弁当形式のお料理はとってもわくわくさせてくれて、美味しかった。
母が運転を代わってくれると言うので、飲んだブランデーベースの梅酒がとっても美味しかった。
窓の外には人工の池。
そこに鳩や雀が遊びに来ていて、ちびちゃんは楽しそうだった。
「ぽっぽ!」
「ちっち♪」
食後、運河沿いの庭でお散歩。
いい、締めくくりだね。
予想どおり、大喜びのちびちゃんが動かなくて、帰るまでにかなり大変だったけど。
明日は…音楽教室だ…ばったり。
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